溺愛銃弾 ～フルメタル・ジャケット～

入場開始のアナウンスが流れ、入り口に向かって歩き出す。どこからともなく玉置さんが湧いてきて、案内係のように指定スクリーンへと誘導してくれた。

カップルシートは二人掛けだから間仕切りもなく、座った途端に腰を抱き寄せられて、まだ明るいのにここでもキス。男前の顔が妖しい色気を漂わせて間近にある。･･････何だかこの先の展開が目に見えるようだ･･･。

人気ドラマの続編映画ってこともあって、空席は少なめだった。いきなりスーツのオニイサンから定番のポップコーンと飲み物を差し出され、驚いて凝視してしまう。

「悪いね鹿島(かしま)」

陶史郎さんがお礼を言い、よくよく周りを見渡したら。玉置さんとさっきの鹿島さん、もう一人が近くでバラバラに席を取っていた。

ドラマ風に言えばＳＰ。実際は正真正銘の用心棒･･･というか玉置さん曰く、“弾除け”。