溺愛銃弾 ～フルメタル・ジャケット～

「この塩キャラメル味おいしいよ？ハイ、あーんして」

部下の前でもお構いなし、満面の笑みで催促してくる陶史郎さん。

自分で食べられるんだけどな。思っても声には出さない。仕方なく口を開けると、甘さの後にほんのり塩加減が効いたポップコーンが、陶史郎さんの指で軽く押し込まれた。

陶史郎さんは自分でも摘まんで口の中に放り込むと、視線を傾げてみせる。

「･･･キャラメル付いたから綺麗にして？」

こっちに伸びて来た少し骨ばった男の人の指先が二本、唇を割って自分の舌に触れた。なぞるように這わせて舐め取ると、満足そうに彼が目を細めた。

「ん。いい子だね･･･樹」

塩味の方が多めだったな･･･。そんなことを思ってたら、今度は食べさせろと笑顔で強請られる。

「･･･はい、陶史郎さん」

何となく予想はついてたけど指ごと食べられて。それから手首を取られ、棒付きのキャンディを舐めるみたいに人差し指と中指をペロリ、と舌で遊ばれた。
　
「ご馳走さま」
　
妖しく微笑む陶史郎さんは本当に楽しそうで、･･･シアワセそうだった。