溺愛銃弾 ~フルメタル・ジャケット~
上映中は真剣に集中してるのを邪魔するほど、陶史郎さんは子供っぽい人じゃない。

ただ。隙間もないくらいの密着度で腰を抱き寄せられ、身動きが取れないまま何度も頭の辺りに吐息と熱が寄って来ただけ。

たぶん髪にキスをされてたけど好きに放っておいた。目が離せないストーリーだったし。

エンドロールが流れ始め、それまで大人しくしててくれた陶史郎さんが、もう我慢しないとばかりに。腰に回してた手を放したかと思えば人の顔を捩じる。そして遠慮なしに唇を啄ばんだ。

耳はそばだてて音声を追いながら、エンドロールの間くらいはしょうがないかと諦める。最後にまだワンシーンがあるかも知れないから気は抜けない。

そのまま場内が暗転した瞬間に深いキスが繋がり。明るくなった時には彼のちょっと企んだような顔が至近距離にあった。
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