溺愛銃弾 ~フルメタル・ジャケット~
途中、高速道路のサービスエリアで軽くお腹を満たし、ところどころで渋滞に巻き込まれながら23時すぎ、去年も連れてきてくれた別荘に到着した。
 
平屋建ての和風な造りで、ガラス張りの檜風呂があったり、ウッドデッキで森林浴をしたり。深呼吸するのが心地よかった憶えがある。

「お疲れ様でした」

陶史郎さん側のドアを玉置さんが、こっち側を出迎えの鹿島さんが外から開いてくれた。

「・・・若、ひと通りの物は揃えました」

「助かったよ鹿島」

折り目正しく頭を下げた彼に、陶史郎さんが労いの言葉をかける。当たり前のように。・・・だから慕われる。

父もそうだったんだろうと、陶史郎さんと一緒にいるようになってから分かったこともあった。
< 24 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop