溺愛銃弾 ~フルメタル・ジャケット~
「樹。せっかくだから、ちょっと飲もうか」

「・・・うん」

「じゃあツマミ作るから適当にくつろいでていいよ」

「手伝う」

言うと。手慣れた所作でたすき掛けをしながら笑顔が向く。

「ここに居る間は僕がホストだからね。樹の役目は僕の好きに甘やかされることだよ」

・・・いつもと同じに言われたのに、なんだか居たたまれない感じで。

キッチンに立つ陶史郎さんの背中を見つめながら、理由を探そうとしてみたけど、どこにも辿り着かないままだった。
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