溺愛銃弾 ~フルメタル・ジャケット~
そう思ったら陶史郎さんの顔が見てられなくなった。はっきりと目を逸らして、彼から逃れようと身を捩る。

「どうして逃げるの?」

素早く両手首を掴み直され、そのまま仰向けにベッドに押し倒される。引き剥がそうとしてもびくともしない。

「樹は僕のものだから、どこにもやらないよ」

いつもなら笑うのに。鈍色の銃身を心臓の真ん中に突き付けて、今にも引き金を引きそうに。 

「・・・分からないなら分かるまで教えてあげるね」

凍った眸が無慈悲に見下ろしてた。



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