溺愛銃弾 ~フルメタル・ジャケット~
分かるまで。・・・そう言い放った陶史郎さんは。頭より勝手に躰が欲しがるようになるまで、あれからまるで毒のように自分を侵す。

『樹・・・おいで』

朝も昼も関係なく。服を着てる時間のほうが少ないぐらい。

『何をムキになってるんです?』

玉置さんがたしなめるほど。

目を細め、口許を妖しく歪めながら。言葉で縛り上げては鎖に繋ぎたがる。それでも足りなくて、もっと寄越せって。際限なく貪られる。

何だかずっと陶史郎さんは怒ってる気がして。

「・・・・・・・・・怒ってる・・・?」

果てた彼の熱が少し収まったのを。自分も呼吸を整えてから、ベッドの中で抱き寄せられたままで小さく口にした。
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