溺愛銃弾 ~フルメタル・ジャケット~
沢崎の娘としか見てもらえてないことが?
罪滅ぼしでしかないことが?
 
自分を好きなわけじゃないから?
好きになって欲しかった、・・・から?

その答えが頭の中でカタチになった。瞬間。

弾かれたようにダイニングテーブルの椅子から立ち上がり、リビングから飛び出してた。

「樹ッ?!」

背中で陶史郎さんが叫ぶ声が聴こえた。

もう外は真っ暗で。当然だ、夕飯の真っ最中だった。ワンピースタイプのルームウェアに靴下って恰好のまま夜の森に。このままどうなりたかったのか自分でも。

ただ陶史郎さんの傍にはいられない。・・・その思いに掻き立てられて。
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