[短]氷点下がーる

「なーんちって、はいこれ」

そう言って小林巴は小さな箱をあたしに渡してきた。

「泣くな、泣くな。開けてみてよ」

小林巴はあたしの頭を優しくなでてくれた。
言われた通りに箱を開けてみる。


「あ…」

そこには小さな白いピックが入っていた。

「俺の気持ち」

「へ?」

「裏返してみて」
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