王子様と野獣
*
仕事は準備段階ということもありそれから順調に進んでいる。
そしてプライベートはというと、モモちゃんの部屋にお邪魔するくらいには進展していた。
最初は俺の仕事が遅くならないときに待ち合わせて外食でもしよう、という話だったのだが、話しているうちにモモちゃんの金欠事情が明らかになり、奢ると言えば「そんなのダメです!」と言われ、結果、折衷案として、俺が材料代を出し、モモちゃんが作ってくれた料理を食べるという流れになったのだ。
今日はそこまで仕事も遅くなく、俺はモモちゃんの部屋で彼女と並んでキッチンに立っている。
「モモちゃんもハンドメイドってするの?」
「いえ、私は趣味程度です。仕事で触れる機会が多かったから興味はあるんですけど、不器用なんですよね」
「編み物とかそういうやつ?」
「いいえ。どっちかというとボンドを使うような工作系のほうが好きです」
最初はつくってくれると言っていたけれど、あまりの手つきのおぼつかなさに手伝いを申しでて、今では俺がメイン彼女がサポートのような構図になっている。
「やっぱりあさぎくん、上手」
「小さい頃から父さんに習ってたからね」
「そうなんですか?」
「毎食、店で食べるわけじゃないし。弁当とかも作んなきゃいけなかったしね」
「お弁当も作っていたんですか?」
仕事は準備段階ということもありそれから順調に進んでいる。
そしてプライベートはというと、モモちゃんの部屋にお邪魔するくらいには進展していた。
最初は俺の仕事が遅くならないときに待ち合わせて外食でもしよう、という話だったのだが、話しているうちにモモちゃんの金欠事情が明らかになり、奢ると言えば「そんなのダメです!」と言われ、結果、折衷案として、俺が材料代を出し、モモちゃんが作ってくれた料理を食べるという流れになったのだ。
今日はそこまで仕事も遅くなく、俺はモモちゃんの部屋で彼女と並んでキッチンに立っている。
「モモちゃんもハンドメイドってするの?」
「いえ、私は趣味程度です。仕事で触れる機会が多かったから興味はあるんですけど、不器用なんですよね」
「編み物とかそういうやつ?」
「いいえ。どっちかというとボンドを使うような工作系のほうが好きです」
最初はつくってくれると言っていたけれど、あまりの手つきのおぼつかなさに手伝いを申しでて、今では俺がメイン彼女がサポートのような構図になっている。
「やっぱりあさぎくん、上手」
「小さい頃から父さんに習ってたからね」
「そうなんですか?」
「毎食、店で食べるわけじゃないし。弁当とかも作んなきゃいけなかったしね」
「お弁当も作っていたんですか?」