王子様と野獣
*
目を開けたとき、飛び込んできたのはあさぎくんの鎖骨。
「わわっ」
頭に血が上ってすぐ離れようとしたけれど、裸の私は、同じく裸の彼にしっかりと抱きしめられていた。
腰がなんとなく重たいのは、あさぎくんの腕がのっていたからなんだな。
「ん……?」
私がもぞもぞと動くから、彼も意識が覚醒したようだ。
目を開けて、私を見て一瞬息を吸い込む。そしてお互い裸なことに気づくと、一気に頬を赤く染めた。
「おは……よう、モモちゃん」
「あさぎくん、おはよう」
恥ずかしかったはずなのに、あさぎくんのほうが照れるから、なんだか吹っ飛んでしまった。
「あ、体、大丈夫? 痛くない」
「うん。……あさぎくんは?」
手を伸ばして髪を触ると、あさぎくんは一瞬はっとしたように息をのんだけれど、やがて私の手の上に自分の手を重ね、こっちの息が止まりそうなほど魅惑的な微笑みを見せた。
「大丈夫。……あんなにこだわって怖がっていたのに、なんか不思議だね。俺が変わるわけでもなかった。なんだかスッキリしたよ」
「あさぎくん」
「あ、でも。相手が誰でもいいわけじゃないからね。モモだから、乗り越えられたんだし」
慌てちゃって。時々あさぎくんってかわいいなぁ。あたふたする感じが、万里に似てる。
目を開けたとき、飛び込んできたのはあさぎくんの鎖骨。
「わわっ」
頭に血が上ってすぐ離れようとしたけれど、裸の私は、同じく裸の彼にしっかりと抱きしめられていた。
腰がなんとなく重たいのは、あさぎくんの腕がのっていたからなんだな。
「ん……?」
私がもぞもぞと動くから、彼も意識が覚醒したようだ。
目を開けて、私を見て一瞬息を吸い込む。そしてお互い裸なことに気づくと、一気に頬を赤く染めた。
「おは……よう、モモちゃん」
「あさぎくん、おはよう」
恥ずかしかったはずなのに、あさぎくんのほうが照れるから、なんだか吹っ飛んでしまった。
「あ、体、大丈夫? 痛くない」
「うん。……あさぎくんは?」
手を伸ばして髪を触ると、あさぎくんは一瞬はっとしたように息をのんだけれど、やがて私の手の上に自分の手を重ね、こっちの息が止まりそうなほど魅惑的な微笑みを見せた。
「大丈夫。……あんなにこだわって怖がっていたのに、なんか不思議だね。俺が変わるわけでもなかった。なんだかスッキリしたよ」
「あさぎくん」
「あ、でも。相手が誰でもいいわけじゃないからね。モモだから、乗り越えられたんだし」
慌てちゃって。時々あさぎくんってかわいいなぁ。あたふたする感じが、万里に似てる。