王子様と野獣

「分かってるよ。私は、ハジメテがあさぎくんでよかった。嬉しい」

「……っ。ホント。かわいいな」

ちゅ、と瞼にキスをされる。「え、あ、お」と言っているうちに、そのキスは頬を伝い唇に落ちる。

「好きだよ、モモ。大好き。もう離したくない」

急激に甘いって。
戸惑う私に微笑みかけつつ、あさぎくんはそのまま、首にも鎖骨にもキスをしていく。

「あ、あさぎくん? 朝だし……」

「うん、でも。今日は休みだよね」

「そ、そうだけどー!!」

あれ? 乗り越えたとたんに旺盛じゃないですか? 
いや私、お腹すいたけどな。

「いい?」

「えっと。……いやでも」

「かわいい。モモ」

私の返事など、聞いちゃいないだろう。
彼の手は自由に私の体を滑る。昨日の汗も落としていないのに……と思ったけれど、強く反論できないのは私も彼との触れ合いを望んでいるからで。

黙ったのを了承と見て取った彼は、そのあと、こっちがへとへとになるまで私のことを抱き続けた。
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