ずっと、キミのこと見てたよ?
「はいっ!」
元気よく返事して、利仁くんの手を握る。
利仁くんはホッとしたようにため息をついて、自分に勝利した瞬間がきた。
「私も利仁くんのことが好きですっ」
両想い、かぁ。
できるなら夢じゃなければいいのに。
このまま夢からさめなければいいのに。
あぁ、現実に戻りたくないなぁ。
「もしかして、夢だと思ってる?」
「へっ?」
気持ちまで読まれるなんて、利仁くんは天才なのかな!?
それとも、私がわかりやすいだけ?
「夢じゃない、現実だよ。ほら、ちゃんと俺の目を見て?」
そう言われて、利仁くんの目をジーッと見つめてみる。