クール彼氏の取扱説明書
あ〜、由良怒るだろうな。
そう思いながら。
案の定、土曜日に喧嘩したけど。
俺だって来たくて来たわけじゃない。
由良が1番の被害者なんてことは分かってるけど、俺ワガママ通してでも周りにバレたくないし。
挙句の果てに、「友達」って言ってしまって今度こそ嫌われた気がする。
完全に俺が悪い。
「バカ佑月!!!!!」
ショッピングモールの中で大声で叫ばれ、由良は思いっきり泣きながら走っていった。
追いかけないと。
そう思って走ろうとすると、グイッと腕を引っ張られて。
「佑月くん、行っちゃダメだよ?」
誰のせいでこんなことになったと思ってんだよ、この女。や、自分のせいか。
「離して」
「やだ。佑月くん行ったら泣いちゃうよ?」
知らねーよ。
ていうか、俺あんたの名前すら知らないし。