クール彼氏の取扱説明書
その女の腕を思いっきりはらって、とりあえず走った。
「ちょっ……佑月くん!」
由良以外の女なんて、どうでもいい。
眼中にない。
俺がどう思われようがそんなの知らない。
でも、
由良には好かれてないと困る。
「由良!」
「離してよっ……!」
足おっそいなー…。
すぐに見つけることが出来た。
「ゆ……」
「もうやだ」
由良が泣いてる。
少し驚いて声が出なかった。
高校時代の時は毎日のように泣いてたけど、大学生になってからはあんまり泣かなかったのに。
「由良、一緒に帰ろう」
「……うん」
由良の手を握る。
すると、由良は少し驚いてから俺の手を握り返してくれた。