クール彼氏の取扱説明書
────遡ること、30分前。
久しぶりに佑月のお家でデートだっ!なんて喜んでたあたし。
佑月の部屋でいつもの定位置に座っていると、佑月の顔が近づいてきたから
もしかして……って思って目を瞑ったのに。
『あ、そういえば』
寸止め?まさかの、寸止めですか佑月くん。
あたしは、目を開ければいいの?ん?
『いつまで目瞑ってんの?ブサイク』
『なっ…!別にいいし!ブスだもん!』
イケメン佑月くんに言われたら何も言い返せないのが少し悔しい…。
『明日、映画行く約束してたけど』
『うん!凄い楽しみ〜!』
前売券まで買って、楽しみにしてたバッチバチのラブコメディの映画!
それが、どうしたのかな?
……まさかっ!
この期に及んで、やっぱり恋愛映画を見るのは恥ずかしいって!?
『佑月、恋愛映画とか苦手だもんね…』
あたしが駄々こねてどうしても見に行きたいって言ったんだもんね。