クール彼氏の取扱説明書




家に着くまでお互い無言。


家に着いても、由良はこの状況を飲み込めてないのかめちゃくちゃアタフタしてる。




「由良」




名前を呼ぶと、肩を震わせて俺の方を見る。


驚かせたいわけじゃないんだけど。




「ちゃんと話そう」




ソファに座って隣をポンポン叩くと、由良は頷いて俺の隣に座った。


由良がやけに素直に俺の言うこと聞いて隣に来るもんだから、


なんなの、可愛すぎる。



気づいたら、由良を抱きしめていた。


これは、可愛すぎる由良が悪いんじゃん。




「ゆ、佑月…?」



「ハァー……ごめんね、ほんと」




由良の気持ち全然考えてなかった。
自分のことばっかりでダメになってた。




「本当は、由良と映画見に行きたかったよ」



「本当に?」




由良は、クリクリした目を俺に向けて首を傾けながらそう聞く。


いちいち可愛いんだけど、この生き物。



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