クール彼氏の取扱説明書
本当は、佑月と同じ大学に行くつもりだった。
というか、当たり前のように一緒に同じ大学に行くもんだと思ってた。
『ねぇ、佑月。あたしも、佑月と同じ大学に行きたい!』
特に行きたい大学があるわけでもない。
佑月と一緒にいたいって思いだけで、高3の時志望校を佑月と同じ学校にした。
佑月は喜んでくれるかなーって思って笑顔で言ったんだっけ。
それなのに佑月は、眉間に皺を寄せたから。
『その学力で行けると思ってんの?本当、由良はバカだね』
笑顔で、嬉しいとか言ってくれるかなって期待してたんだけど。元からクールな佑月がそんなこと言うわけもないのに。
·····そりゃそうだ。佑月は勉強出来るんだから、ここの大学にしたんだ。頭の悪いあたしが行っていい場所じゃない。
『そう····だよね!』
佑月は、あたしと一緒にいたくないのかなとか。
本当は、離れたいと思ってるのかなとか。
変なことばかり考えるようになって。
佑月はあたしのことを考えて言ってくれたことは分かってるのに。