クール彼氏の取扱説明書
「た、ただいま〜」
少々怯えつつ、ドアを開ける。
でも、なかなか返事が帰ってこない。
え·····もしかして、鍵開けっ放しで家出たのあたし!?
急いで靴を脱いで中を確認する。
泥棒入ったりした··っ!?
リビングの扉を開けて、それに続く寝室の扉を開ける。
「·····佑月」
あたしのベッドで横向きになって寝てる佑月。
·····よ、良かったぁ〜!
いや。良かったのか?
今、佑月とは顔を合わせづらくないか?
恐る恐る寝ている佑月に近づいて、ちょこんと正座で床に座る。
佑月。相変わらず、綺麗な顔してる。
柔らかいサラサラの黒髪。
めんどくさいから、染める気はないらしい。
「佑月·····起きて」
無意識に、手を佑月の前髪に伸ばした。
すると、パシッと手を掴まれてグイッと強引に引っ張られる。