クール彼氏の取扱説明書




隠れながら、双眼鏡を使って佑月をチェック。


……ん?んん?


なんかあの子、以上に佑月と距離が近くないかい?


さっきから佑月の隣をキープし続けている茶髪ロングの女の子。




「由良ちゃん、顔怖いよ」



「はっ」




危ない危ない。佑月様様の彼女であるあたしが余裕をもっていないとどうするんだ。




「ねぇ、由良ちゃん」



「んー?」



「佑月さ、多分来たくて来てるわけじゃないと思うんだよね」




何言ってるんだ、佐倉くん。
あの佑月があたしとのデートを断ってみんなと楽しんでるんだよ!?




「だからさー、もうやめようよこんなの」




映画のチケットなら俺の奢りで2枚買ってあげるからさ。




佐倉くんはそう付け足す。



チケットが欲しいんじゃないもん…。



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