アッファシナンテ
~崎本side~
土曜日。
店を終えた俺は3時間ほどの
睡眠を取り熱いシャワーを浴びた。
いくら金のためとは言え
どうして俺は、あの執事の
申し出に首を縦に振ったのだろう。
この仕事を始めてから
何よりも大切にしていた
睡眠時間を削ってまで
あのお嬢様に
会う必要なんてないのに。
今まで通り、毎月の給料から
借金を返せばいいだけの話なのに。
利息がある訳じゃない。
何年、何十年かかろうが
借金が増える訳でもないのに。