アッファシナンテ
何が楽しいのか何が嬉しいのか
彼女はボタンを押して
出てくる券を眺め笑っていた。
カウンター席に座ると
牛丼が運ばれてくる。
いつ食べても変わらない味。
本当にその技術は素晴らしいと思う。
だけど、割とよく利用する
俺にとっては何だか少し味気なかった。
なのに、隣に座る彼女は
あの日同様、何度も何度も
美味しいと言いながら食べていて
その場にいる全員の顔が
綻んだように見えた。
客「姉ちゃん、これ入れてみろ。
これ入れるとなもっと美味くなるぞ。」
遼「いや。あの、すみません。
誰が触れたか分からないものを
こいつに食べさせる訳には
いかないっつーか。いや、別に
この店を批判してる訳じゃ
ないけど、なんつーかその...」