アッファシナンテ

花恋「どうしてそれを伝えて
あなたのお父様は解雇されてしまうの?
正しい事をしたあなたのお父様は
褒められるべきよ。」

遼「臭いものには蓋をする。
都合の悪い事は揉み消す。
立場の弱い人間は切り捨てられる。
知られたくない事を知られた
大会社の社長は父を追い詰めた。
解雇し、再就職先が見つからないよう
色んな会社に根回しした。
父は見せしめに使われたんだ。」

とても悲しかった。

遼「それから、父は
まるで別人のように変わった。
朝から晩まで酒を飲み
事ある事に俺の事を殴った。」

初めて話してくれた彼の過去が
こんなにも悲しいものだとは
思っていなかった。
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