アッファシナンテ
遼「夜眠っていても朝起きても
学校へ行く前も家へ帰ってからも
家にいる時はほとんど365日。
俺は父に殴られ続けた。
そんな生活が5年ほど続き
異変に気付いたお節介などこかの
誰かが警察に通報した。
警察が動き父は逮捕され
俺は児童養護施設に保護された。」
どうして、崎本さんが
辛い思いをしなければ
ならないのだろう。
遼「それからの人生は今と変わらない。
学校ではいじめられ、高校にあがると
非行に走り、街を出歩くようになり
今の仕事と出会った。
父の事を社会が見捨てなければ
俺はもっと真っ当な人生を
歩めていたかもしれない。
あんたを見てると、思い出すんだ。
もちろんあんたのせいではないし
父を見捨てた人間は
あんたの父親ではないけど
それでも、やっぱりあんたは
切り捨てる側の人間だから。」
そんな私を聞いてしまえば
私はもう彼にワガママを
言う事さえ出来ない。