アッファシナンテ
~花恋side~
私は確かに何かに傷付いていた。
初めて聞いた崎本さんの過去に
傷付いているのか。
前日に聞いた仕えたいお嬢様がいる
という春川の話に傷付いているのか。
給料を貰っていなければ春川は
私の心配すらしてくれないという
崎本さんの言葉に傷付いているのか。
分からなかったけど一晩中考えた。
傷付いている理由ではなく。
もう会えなくなってしまっても
私が崎本さんのために
出来る事はないのかという事を。
崎本さんの話を一つ一つ思い返した。
翌日、私はダイニングで食事をとる
お父様の元へ向かった。