アッファシナンテ

花恋「あなたはいいのよ。
ううん、きっとね最後の最後まで
嘘を突き通せる人間なら
嘘をついたって構わないの。
人を陥れるための嘘はいけないけれど
幸せにするための嘘ならいいのよ。
嘘を突き通せば本当か
嘘かなんて分からないもの。
だけど、私には出来ないから。
最後の最後までその人の幸せを願って
嘘を突き通せないから。」

遼「...やっぱりあんたは素直の塊だよ。」

花恋「そんなことないわ。
私だって...」

遼「あんたは感情を隠さない。
ホストなんかやってるとさ
色んな人の姿を見るんだ。
この店に来る人達は少なからず
偽物を求めに来てる人ばかりなんだ。
仕事で失敗したから。家庭が上手く
いかないから。辛い事があったから。
そんな出来事があった日にここへ訪れて
そんな出来事があったからこそ
皆、笑うんだよ。この瞬間だけは
全てのことを忘れたくて...偽物の笑顔を
浮かべ存分にこの時間を楽しむ。」
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