アッファシナンテ
迷った。言ってしまいたい。
そんなはずないって。
今でもめちゃくちゃ好きだって。
でも、じっと黙って俺たちの
話を聞いている執事を見ると
言えなかった。
今ここで俺の気持ちを伝えて
やっぱり俺の命の炎が消えた時
俺は何の責任もとれない。
俺のために花恋の父親に
話を通してくれた執事に
何の恩返しも出来ない。
何よりも、花恋を悲しませる。
だから...きっと...言わない方がいい。
遼「...俺は...!」
春川「申し訳ございません。
着信がありましたので
私は少し席を外させて頂きます。
...崎本様。人はいずれ死にますよ。
崎本様だけではございません。
明日、私が事故に遭いこの世を
去る事もあります。
...私も責任など持てません。
あなただけではないですよ。
では、少しだけ失礼致します。」