アッファシナンテ

お父様はナプキンで口元を拭くと
ダイニングを出て行った。

花恋「スムージーを
貰えるかしら?」

私がそう言っても誰も
かしこまりました。とは
言ってくれない。

当然だ。今、この藤堂家に
執事はいないのだから。

私がキッチンへ向かうと
休憩していたシェフが
慌てて立ち上がる。

シェフ「奥様、どうなさいました?」

花恋「スムージーを頂きたいの。」

シェフ「かしこまりました。
すぐにお持ち致します。」

何も不便な事はない。
まだ少し、慣れないだけ。
< 497 / 540 >

この作品をシェア

pagetop