アッファシナンテ
何度となく入った事のある
春川の部屋だけど、夜になると
その表情は少し違っていて。
なんというか春川の温もりが
いっぱいに詰まった部屋だった。
春川の部屋の新しい表情を
見た私は、何だかワクワクして
春川のベッドに寝転んだ。
だけど、そのワクワクは
すぐになくなってしまった。
私のベッドよりも硬いベッド。
いつも私のために頑張ってくれる
春川が私よりも質の悪いベッドで
眠る事が、とても悲しかった。
こんなベッドで春川は疲れを
癒す事なんて出来るのだろうか。
微かな足音が聞こえ慌てて
ベッドから起き上がると
私はソファに座り直す。
春川「お待たせ致しました。
本日はカモミールティーを
お持ちしました。
カモミールには安眠効果..」
花恋「説明はいいから。
早く淹れて。」
春川「かしこまりました。」
何を話す訳でもない。
だけど、春川と飲んだ
カモミールティーはいつもより
何倍も美味しい気がした。