アッファシナンテ
~春川side~
お嬢様はカモミールティーを
飲みながら小さなため息をついた。
その理由を知りたかったけれど
お嬢様は、きっと教えて下さらない。
昔からお嬢様はそうだった。
話したくない事は絶対に
話さない人だった。
こちらがどれだけ懇願しても
こちらがどれだけ心配しても
決してお嬢様は折れない。
だから、いつも心配だった。
お嬢様は空になったカップに
カモミールティーを注ぐ様子を
じっと眺めていながら言った。