人魚のいた朝に
「青一の人生を、生きて」
それは永遠だと思っていた。
ずっとずっと、続く想いだと信じていた。
「好きだ」
「うん」
「初空だけが、好きなんだ」
「うちも、あんたが好き」
「愛してる」
「・・・うん」
だけどあの頃の僕らは、もういない。
「そら、」
「青一」
「・・・ごめん」
いつも泣くのは、彼女の前だった。
「うん」
「ごめん、初空」
「・・・うん」
「ごめん」
「うちはもう大丈夫だから」
「それでも僕は初空が・・・」
背中に感じる熱が、愛しくて愛おしくて・・・
「ありがとう、青一」
誰よりも、君が好きだ。