俺にすればいいのに。
電車に乗って2駅。

駅から少し歩いて着いたのはとあるショッピングモール。

その3階に期間限定でオープンしているのは……


「先輩、着きましたよ」

「わあっ!! ミルちゃんカフェだ!!」


話題の『うさぎのミルちゃんカフェ』


予約が取れないことでも有名なこのカフェになぜ入れたのか。

それは……言わないでおこう。



先輩はこの『うさぎのミルちゃん』が大好きらしく、いつもカバンにストラップをつけていたし、ペンケースも文房具もこのキャラのものだった。


席に着くとすぐにメニューを広げて「優くんはどれにする?」とにこにこしていた。


「んー……『ミルちゃんオムライス』にします。先輩は?」

「私もそれと迷ってたの! 優くんがそれにするなら、『ミルちゃんと森の仲間たちプレート』にする!」

「飲み物とデザートは何にしますか?」

「『森の抹茶ラテ』と『ミルちゃんのパーティーパフェ』!」


店員さんを呼んで注文を済ませると、
「ミルちゃんショップ見て来るね!」と、先輩はカフェに隣接する限定ショップに軽い足取りで向かった。


喜んでもらえてよかった。
先輩の笑顔をいっぱい見れて俺は満足。
それだけでお腹いっぱいだ。


「……あの、」


声のする方へ顔を向けると、女の人が2人立っていた。
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