俺にすればいいのに。
今、サイン会に先輩が来た時と同じくらいヒヤヒヤしてる。

ステラの時は何があるかわからないから、格好も髪型も変えて眼鏡をかけている。

普段の格好で声をかけられることは初めてだったから、驚きすぎて鳥肌が立った。


「優くん、ただいま!」

「おかえりなさい」

「はい、これあげる!」

「え?」


手渡されたのは限定衣装を着た ミルちゃんのマスコット。

しかも、これ……


「私とお揃いだよ! ほら!」


そう言って、俺のミルちゃんと自分のミルちゃんをくっつけた。
耳の部分でハート形ができる。

可愛いけど、可愛いんだけど……


「…優くん? 嫌、だった?」

「そんなことないです! 嬉しいです! ありがとうございます!」

「よかった!」と笑う先輩に胸がぎゅっとなる。

あれ? 俺たちって付き合ってるんだっけ?

先輩がそう思ってくれてるなら嬉しいんだけど……
もしそうなら、今からの計画は全部意味がない気がする。

……どっちなんだ!?
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