俺にすればいいのに。
「お待たせいたしました」

「わあ〜! 可愛い!」


注文した料理が届いた。

先輩の表情が ぱあっと明るくなる。


「ねぇ、写真撮ろうよ!」

「あ、はい」


先輩がスマホを構える。

あの日を思い出すなぁ。
あの時写真を撮っていなかったら、今はないと思う。

これからもたくさん写真を撮って先輩との思い出を作っていきたい。


「優くん、さっきから変だよ?」

「え?」

「元気ないけど…」

「気のせいですよ。それより、このオムライス食べますか?」

「食べる!」


俺の方へ軽く身を乗り出す先輩。

この流れって……

スプーンにのせたオムライスを先輩の口元へもっていく。

抵抗せずにぱくっと食べた先輩は「美味しい!」と頬をおさえて幸せそうな表情。

え、気にしてるのって俺だけなの!?

女子の方が気にしそうだけど……


「あっ!」


今更気にしても遅いですよ、先輩!
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