俺にすればいいのに。
「そろそろ、帰りましょうか」

「そうだね」


先輩の手をとってゆっくりと歩き出した。


電車の中ではお互い黙ったままだった。

次はいつ会えるのかな……
そんなことを考えながら隣にいる先輩を見ると、俺の肩に頭をあずけてスヤスヤと眠っていた。

バッグにはお揃いのマスコットとストラップが付いている。

これからは、何があっても頑張れる気がする。


『次は〜青木公園…』

「先輩、降りますよ」

「んー」

「美咲先輩、ほら!」

「名前で呼んだ?」

「寝ぼけてないで、早く行きますよ」


恥ずかしさを隠すように、先輩の手を引いて急いで電車を降りた。
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