諦めるには値しない
水と油の出会い
~陶太side~
僕には夢がある。
幼い日に見た代々木体育館での試合。
大歓声が響き渡るコートの中で
キラリと光る汗を流しながら
ボールを追いかけるあの姿。
いつか僕もあのコートに立ちたい。
仲間と共にただ一つのボールを
追いかけるバスケットボール
プレイヤーになりたいんだ。
志望校に入れなかった僕は
一度はその夢を諦めようとした。
だけど、僕にとってその夢は
簡単に諦められる夢ではなかった。
備品倉庫を改装した
お世辞にも綺麗とは言えない部室に
今日も僕はいた。