諦めるには値しない
珀斗「冴子さんが
言ったんじゃないですか。
喧嘩の傷は男の勲章。
大いに喧嘩してこいって。」
冴子「そんな昔の話忘れたわ。
うちのバカ息子も一緒だったの?」
珀斗「いや、昴は‥。」
言葉を続ける事が出来なかった。
口に出してしまえば
ひどく惨めになりそうで
昴が俺たちよりもバスケ部の連中を
選んだ事を認めてしまう気がして
続けられなかった。
冴子「そう。」
いたたまれなくなった俺は
お茶を一気に飲み干し立ち上がる。
珀斗「俺、帰ります。」