諦めるには値しない

復讐したらきっと俺は自由になれる。
寿人にも正々堂々と会いに行ける。

そのためにはまず
何が何でも寿人を
助け出さなきゃならない。

バスケットボールを手に持ち
公園へ向かうと3ポイントラインから
シュートを打ってみる。

憎かった。俺はバスケが大嫌いなのに
その腕は少しも衰えない。
気持ち悪いくらいにリングに
ボールが吸い込まれていく。

何でもっと早く出会えなかったんだ。
カツアゲなんて愚かな事をする前に
バスケに出会えていれば俺たちは今でも
笑い合う事が出来たかもしれないのに。
< 188 / 582 >

この作品をシェア

pagetop