諦めるには値しない

珀斗は手についた血を
テッシュペーパーでふき取ると
また携帯を取り出した。

昴「終わりのない喧嘩。
やられたらやり返す。
それを永遠に続けた先に
一体何があるんだろう。」

珀斗「らしくないねぇ。」

珀斗の言う通り感傷的な気分なんて
本当に俺らしくない。

昴「お前も、女と喧嘩以外
やる事ねぇのかよ!」

珀斗「イライラするのは
分かるけどさ、俺に八つ当たり
するのは違うんじゃん?」

俺たちはまるで
底なし沼にいるみたいだった。
先の見えない無意味な毎日を
ただ、やり過ごしていた。
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