諦めるには値しない
藤野「分かってるよ。
芹沢くんが僕と同じ
気持ちではない事くらい。
でもね、嬉しいんだよ。
初めて言われたから。」
昴「何が?」
藤野「お前の事を信じるって
僕は初めて言われたから嬉しくて。
だから、僕はここへ来た。
もちろん、不動を思う気持ちもあるけど
何よりも芹沢くんへの感謝を
伝えたくてここへ来た。」
昴「無駄口叩いてねぇで
さっさと手動かせよ。」
藤野「うん。」
それから、俺と藤野は黙々と
真っ赤に染められた部室の
壁を真っ白に塗り替えた。