諦めるには値しない
陶太「でもね、違うんだ。」
昴「何が違うんだ?」
陶太「僕は心配だったんだ。
周りにそう言われてる事を知った
君たちが、いつ相手に殴りかかるか
どのタイミングで喧嘩になるのか
分からないから心配なんだ。」
昴「お前はやっぱりまだ
俺たちの事を信用してねぇんだな。」
無理もない。俺たちは
他人に認められるほど
正しく生きてはいないのだから。
確かに陶太の言う通り
今すぐにでも俺たちバスケ部を
バカにする連中を殴ってやりたいし
部室を汚した犯人を見つけたら
殺してしまいたいほど腹が立ってる。
でも、陶太に出会ってまたバスケを
始めて俺は一生、そんな感情には
流されねぇ覚悟が出来ていた。
だけど、陶太には伝ってねぇ。
これだけ一緒にいても陶太はまだ
俺たちの事を疑っている。
仕方ない事だとは分かっていながらも
それがほんの少しだけ悲しかった。
陶太「違うんだよ!
芹沢くんたちの事は信じてる!
でも、喧嘩して誰かが怪我でもして
試合に出られなくなったら‥って
そう考えると心配になるんだ。
僕たちは全員いて初めて一つの
チームになるんだよ!」
高杉「‥陶太。」