諦めるには値しない
ーガラガラ
保健室を出て体育館へ向かうと
後ろから追いかけてきた不動が
俺の事を呼び止める。
不動「真山先輩!お願いです!
すぐに病院へ行って下さい!
放っておいて二度とバスケが
出来なくなったらどうするんですか?
たかが、練習試合じゃないですか!」
真山「たかがじゃねぇんだよ!
俺たちが過去と決別しバスケを
始めてから最初の試合なんだ。
ようやくここまで来たんだよ。
一歩目から出鼻挫かれたくねぇんだよ。」
不動「でも、ここで無理すれば‥」
真山「お前の言いたい事は分かってる。
俺の体だ。自分が一番よく分かってる。
絶対に無理はしねぇ。約束する。
だから、誰にも言うなよ。」
不動「真山先輩は本当にいいんですか?
今度の練習試合で無理をして
予選大会も全国大会も出られなく
なったとしても後悔しないんですか?」
真山「出るよ。予選大会も全国大会も。
もう二度とこの足が動かなくなったとしても
それでも俺は出る。親友と約束したんだ。
代々木体育館でプレーする姿を
見せてやるってそう約束したから。」
俺には守らなければならない
約束があるんだ。