諦めるには値しない

珀斗「真山が怪我をしたのは
お前のせい。‥なんて、思ってる奴
ここには1人もいねぇよ。
真山自身も昴もトタ達も俺も
誰1人お前のせいだなんて思ってない。
考えてもみろよ?何で真山が
皆には絶対に言うなって言ったのか。」

不動「それは‥試合に
出たかったからじゃないですか?
皆が怪我の事を知れば真山先輩は
試合に出られなくなる。
どうしても試合に出たくて
隠したいって思ったんじゃ‥」

珀斗「試合なんて、どうでもいいんだよ。
俺たちはただバスケを続けられさえすれば
それでいい。一度は諦めたバスケを
今、この場所でやってる。
それだけで十分だ。」

不動「だったら何で真山先輩は
そんな嘘をついたんですか?」

珀斗「お前を悪者にしたくなかったからだよ。
俺たちはお前が前の学校でどんな想いをして
過ごしてきたのか大方知ってる。
この場所でお前にまた同じ想いを
してほしくなくて真山は嘘をついたんだ。
試合に出たいなんてしょうもない嘘で
お前を救いたかったんだよ。
何よりもお前自身に責任を
感じて欲しくなかったから。」

多分ずっと我慢していた涙を
不動は流した。

珀斗「不動、怪我っつーのはさ
誰のせいとかねぇんだよ。
怪我させた奴も怪我した奴も
そうさせた周りの奴らにも責任はある。
喧嘩とバスケは同じだよ。
痛みは全員のものだ。
お前だけのものじゃない。
...ほら、練習再開するぞ!」

バスケ部に入ってからの俺は
本当に、らしくない。
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