諦めるには値しない

他人に言われなくても
そんな事は分かってる。

昴と共に診察室を出ると
案の定、昴は俺の想像していた
通りの言葉を口にした。

昴「お前を試合には出さない。」

真山「だろうと思ったよ。」

昴「何で俺に嘘ついた?」

松葉杖をついているというのに
昴は俺の肩に遠慮なしに掴みかかる。

真山「お前が言ったんだろ?
今度の練習試合が再スタートを切った
俺たちにとっての初めての試合になる。
出鼻を挫く訳にはいかない。
そう言ったのはお前だろ!」

昴「お前はそんな奴じゃない。
たかが練習試合じゃねぇか!
お前のその足を懸けるほどの
価値はねぇだろ!!
一生、バスケが出来なくなる
辛さはお前が一番よく分かってる!
そんなお前が俺たちに嘘をついてまで
守りたかったものは何なんだよ?」
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