諦めるには値しない
ここで容易に不動の名前を
出す訳にはいかない。
それだけは避けたい。
そうじゃないと俺がここまで
我慢した意味が無い。
だけど、相手は昴だ。
生半可な答えじゃ嘘なんて
すぐにバレちまう。
あーあ、何で俺はこんな厄介な奴と
小さい頃から共に育ってきたんだろう。
真山「お前に認められたい!」
昴「何だよ、それ。」
真山「て、不動が言ってたよ。
昨日、お前は不動じゃなく
高杉をスタメンに選んだ。
それが悔しかったんだってさ。
俺も正直驚いた。お前は昔から
勝ちにこだわる奴だったから絶対に
不動をスタメンに選ぶと思ってた。」
昴「高杉は頑張ってる。
あいつの成長はハンパねぇ。
だから、俺はあいつに
懸けてみたくなったんだ。」
真山「知ってるよ。
お前に言われなくてもそのくらい。
だから俺も不動に同じ事を言った。
そしたら、あいつはさ
羨ましいって言ったんだ。」
昴「羨ましい?」