諦めるには値しない
昴「何だよ。」
母「座って。」
いつもと様子の違う母ちゃんに
ビビりながらも俺はイスに座る。
母「これ。」
昴「何?」
母ちゃんはポケットから
封筒を取り出す。
母「今週末に合宿があるんでしょ?
昨日、珀斗が店に来て嬉しそうに
話して言ったわよ。
何で、あんたは言わないの?」
昴「バスケは俺が勝手に
始めた事だ。母ちゃんに面倒は
かけねぇ。そう決めてる。
だから、受け取れねぇ。」
母「あんたは学生なんだから
母ちゃんに甘えなさい。
あんたが働くようになったら
返してくれればいいから。」
昴「母ちゃん。
...悪い、俺が勝手に始めた事なのに。」
母「思いっきり甘えればいいの。
あんたが今、夢中になれる事が
あるのなら私は応援するから。」
本当に母ちゃんの息子で
よかった、そう思った。