諦めるには値しない
冴子「私は、昴を一度手放した。
でも、いつか2人で暮らしたくて
家森さんに預かってもらってたの。
昴を迎えに行ったあの日
全ての事を話すつもりだった。
だけど、小学生になったあの子は
私の知らないあの子になっていて
話したら私の事を受け入れて
くれないんじゃないかと思うと急に
怖くなってね、里親だと嘘をついて
あの子の事を引き取ったのよ。
時期が来たらちゃんと話そうって
そう思いながらズルズルと
先延ばしにしてた‥私が悪いのよ。」
真山「どうして‥今なんですか?
あいつに伝えなければ今のまま
一緒に暮らせていたのに。」
冴子「最近、頑張ってるじゃない。
一度は諦めたバスケをもう一度始めて
前とは比べ物にならないほど
毎日楽しそうな顔をしてて...
あの子の母親として応援
したくなっちゃったのよ。
昴と本物の家族になりたいって
そう思っちゃったのよ。」
素直に羨ましいと思った。
そんな風に思ってくれる
親がいる昴が羨ましかった。