諦めるには値しない
冴子「ごめんなさいね。
真山くんの事も騙すような形になって。」
真山「いえ、俺は平気です。」
冴子「これ、寿人くんへの花。
お金はいらないわ。
私のつまらない話を聞いてくれたお礼。」
真山「冴子さん。大丈夫ですか?」
冴子さんは俺の問いかけには答えず
いつもと変わらぬ笑顔を見せた。
冴子「真山くん。
これからも昴の事
面倒見てやってね。」
真山「はい。‥あの、花
ありがとうございました。」
だけど、俺には昴の気持ちも分かる。
ずっと暮らしてきた里親が
本当の母親だなんてそうすぐには
受け入れられない。その気持ちを。