諦めるには値しない

陶太「芹沢くん。」

昴「何だ?」

陶太「何かあった?」

昴「はぁ?」

陶太「いつもと様子が
違うように見えたから。
何かあったんじゃないかって
心配になっちゃってさ。」

昴「例え、何かあったとしても
お前に心配されるような事は
何もねぇよ。」

僕はちゃんと知ってるんだ。
芹沢くんは確かに僕たちの事を
信じてくれているけど
自分の身の上話をしてくれるほど
僕たちの事を信頼してはいないという事を。

多分、芹沢くんにとっては
それはどうでもいい事で
でも僕にとってはどうでもいい事
ではなくて...でも、僕はその気持ちを
言葉にする事が出来なかった。

陶太「うん、そっか。
だったら、僕の勘違いだね。
ごめん。余計な事言って。」

やっぱり、僕のキモチは
芹沢くんには伝わらなくて
それがどうしようもなく
もどかしくて情けなかった。
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