諦めるには値しない

~陶太side~


僕はものすごく緊張していた。

僕には秘密がある。
仲間になった皆への秘密。

隣を歩く日向くんへのこの想いだけは
どうしても皆に打ち明けられずにいた。

それは僕が高校一年生の時から
密かに抱いている気持ちだった。

僕が芹沢くんと関わろうと
決めたキッカケは
日向くんがいたからだった。

もちろん、芹沢くんにもう一度
バスケをして欲しいと
願った気持ちは本物だ。
だけど、その事を伝える勇気を
与えてくれたのは
日向くんのおかげなんだ。

陶太「芹沢くん、どうしたんだろうね。
今日はいつにも増して少し
機嫌が悪かった気がする。」
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